獣医師と一緒に考える|愛犬・愛猫のストレス解決法
病院コラム 2025.01.22
犬や猫も、私たちと同じようにストレスを感じることがあります。愛犬や愛猫がストレスを抱えていると、飼い主様にとっても心配の種となるでしょう。ストレスを抱えた状態が続くと、健康や行動にさまざまな影響を及ぼすことがあるため、早期にその原因を見つけ、適切な対策を取ることが重要です。
今回は、犬や猫のストレスのサイン、原因、そして対策について解説します。
■目次
1.犬や猫のストレスサイン
2.ストレスの主な原因
3.ストレス対策と予防法
4.動物病院での診断と治療
5.よくある質問(Q&A)
6.まとめ
犬や猫のストレスサイン
愛犬や愛猫がストレスを感じると、行動や身体にさまざまな変化が現れます。次のようなサインが見られた場合、ストレスが原因の可能性を考えてみてください。
<よく見られる症状>
・体を書いたり、舐めたりする
・食欲が減る
・嘔吐や下痢がみられる
・不適切な場所での排泄をする
・血尿が出る
・元気がなくなる
・よだれが増える
特に、症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
ストレスの主な原因
犬や猫がストレスを感じる要因はさまざまですが、主に以下のような原因が考えられます。
<環境の変化>
引っ越しや模様替え、工事などによる騒音、来客の増加、家族との死別など、環境の変化は犬や猫にとって大きな負担になることがあります。また、多頭飼いのご家庭では、特に新しい動物を迎えた場合、相性が原因でストレスが生じることがあります。
<生活リズムの変化>
飼い主様の勤務時間の変更などにより、散歩や食事の時間が変わったり、外出の増加などで留守番の時間が増えることによる孤独感を感じる場合もあります。特に飼い主様と過ごす時間が減ることで、不安やストレスを感じるケースが少なくありません。
ストレス対策と予防法
愛犬や愛猫のストレスを軽減するためには、日常生活の中で次のような工夫が有効です。
<原因の特定と改善>
ストレスの原因を特定し、それに応じた対策を講じましょう。
・環境の変化
環境に変化がある場合は、できるだけ新しい環境に慣れる時間を設けることが大切です。
引っ越しや模様替えなど室内環境に変化がある場合は、クレートなどを活用して安心できる隠れ家を用意するのも一案です。多頭飼いのご家庭で新しい動物を迎える場合も、適応期間が必要となります。
・生活リズムの変化
できるだけ生活リズムの急激な変化は避け、犬や猫に少しずつ新しい生活パターンを慣らしていきます。例えば留守番の時間が増える場合は、少しずつ時間を延ばすようにしましょう。
・騒音への配慮
騒音によるストレスが考えられるときは、できるだけ静かな部屋に移動させます。薄暗い部屋にしてあげることも効果的です。
<運動や遊びを取り入れる>
適度な運動や遊びを取り入れることで、ストレス発散が期待できます。特に、猫の場合はおもちゃや爪とぎを利用して自然な行動を促しましょう。
<専門家への相談>
ストレスが軽減しない場合や、工事による騒音などで根本的な解決が難しい場合は、獣医師に相談することをおすすめします。
動物病院での診断と治療
愛犬や愛猫のストレスが疑われる場合、動物病院では診断と治療を段階的に進めていきます。ここでは、その流れについて説明します。
<診断>
動物病院では、主に飼い主様からの問診をもとに診断を進めます。診察をスムーズに進めるために、次のポイントを獣医師に伝えましょう。もし可能であれば、異常を感じた様子や行動を撮影した動画があると診察の助けになります。
・異常を感じた時間や頻度
・行動の変化
・最近の環境や生活の変化
必要に応じて血液検査や画像検査を行い、ストレス以外の原因が潜んでいないかも確認します。
<治療>
ストレスの症状や原因に応じて適切な治療法を選択し、個々の犬や猫の状態に合わせて治療を進めます。
・軽度の場合
フェロモン剤の使用や行動療法が効果的です。飼い主さんの対応により、犬猫の認識や行動を変化させることもできます。
・重度の場合
抗不安薬の投与を検討します。
インターホンや掃除機の音など、日常的に避けられないストレス要因に対しては、トレーニングや環境調整を提案します。当院では犬のみではありますが「しつけ方教室」も行っているため、獣医師や看護師にぜひご相談ください。
よくある質問(Q&A)
以下に、飼い主様からよくいただく質問をまとめました。
Q1: 猫のトイレの回数が減ったのですが、これもストレスが原因でしょうか?
A: ストレスが原因でトイレの回数が減ることがあります。猫の頭数+1個のトイレを設置し、静かで落ち着ける場所に置くことをおすすめします。
Q2: 動物病院に行くこと自体がストレスになっているようです。どうすれば良いですか?
A: キャリーケースに慣れさせておくことが効果的です。特に猫の場合はキャリーにスプレータイプのフェロモン剤を使用すると、移動時のストレスを軽減できます。
Q3: 多頭飼いの場合、どのようにストレスを防げばよいですか?
A: 個々のスペースを確保することが重要です。特に猫は静かで安心できる場所を好むため、専用の休息エリアを設けるとよいでしょう。
Q4: ストレスの原因がわからない場合はどうすればよいでしょうか?
A: どんな些細なことでも獣医師に伝えることが大切です。最近の環境や生活の変化、使用しているフードや道具について話すと、解決のヒントが得られる場合があります。
まとめ
犬や猫がストレスを感じる原因はさまざまですが、飼い主様の適切な対応がストレス軽減の鍵となります。日頃から愛犬や愛猫をよく観察し、異変が見られたら早めに動物病院を受診してください。かかりつけ医をもち、予防や日常的なケアを行うことも大切です。
ノヤ動物病院では、しつけ方教室をはじめ、ストレス対策や行動療法を含む幅広いケアを提供しています。どんなに些細なことでも、お気軽にご相談ください。
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