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猫の呼吸が速いのはなぜ?苦しそうな呼吸の原因と緊急性の見分け方

病院コラム 2026.07.28

「寝ているのに呼吸が速い」
「胸やおなかを大きく動かして息をしている」
「咳をして、うずくまっている」
「口を開けて苦しそうに呼吸している」

前回は、鼻を中心とした上部気道の症状について解説しましたが、このような様子が見られる場合、気管や肺などの下部気道や心臓の問題が関係していることがあります。

なかには早急な処置が必要となる病気もあるため、呼吸の変化を見逃さないことが大切です。

今回は、猫の呼吸が速いときや苦しそうなときに考えられる原因や、安静時呼吸数の測り方、受診の目安について解説します。

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■目次
1.猫の呼吸が速い|鼻づまりとの違いは?
2.安静時呼吸数を確認してみましょう
3.猫の呼吸が速くなる主な原因
4.ご家庭で気をつけたいこと
5.動物病院で行う検査と治療
6.まとめ|呼吸が速い・苦しそうなときはお早めにご相談ください

 

猫の呼吸が速い|鼻づまりとの違いは?


鼻や喉などの上部気道に問題がある場合は、フガフガ・ブーブーといった鼻に近い場所から聞こえる音や、鼻水、くしゃみなどが目立ちます。

猫の鼻づまりについてはこちらで詳しく解説しています

一方、気管や肺などの下部気道、あるいは心臓に問題がある場合は、次のような変化が見られることがあります。

安静にしていても呼吸が速い、浅い
胸やおなかを大きく動かして呼吸している
咳をする
呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューと音がする
うずくまったまま動こうとしない
口を開けて呼吸している

呼吸音だけで原因を見分けることはできませんが、鼻水やくしゃみが中心なのか、呼吸の速さや咳、胸やおなかの動きが目立つのかは、診断の手がかりになります。

 

安静時呼吸数を確認してみましょう


猫の呼吸の異変に早く気づくために、ご家庭で確認できるのが「安静時呼吸数」です。

猫が眠っているときや、落ち着いて横になっているときに、胸やおなかの上下を数えます。胸が上がって下がるまでを1回とし、1分間の回数を確認してください。30秒間数えて2倍にしても構いません。

猫の安静時呼吸数は、一般的に1分間に15~30回程度が目安です。個体差はありますが、40回を超える状態が続く場合や、普段より明らかに増えている場合は、動物病院へご相談ください

また、一度の数値だけでなく、普段から安静時呼吸数を記録しておくと、その猫にとっての変化に気づきやすくなります。

ただし、次のような様子がある場合は、呼吸数を測って経過を見るのではなく、できるだけ早く動物病院へご連絡ください。

安静時に口を開けて呼吸している
胸やおなかを大きく使い、苦しそうに呼吸している
舌や歯ぐきが青紫色、または白っぽい
ぐったりしている、反応が弱い
立ち上がれない、意識を失った

猫の開口呼吸は、通常の状態ではありません。酸素を十分に取り込めていない可能性があり、命に関わることもあります。

 

猫の呼吸が速くなる主な原因


猫の呼吸が速い、咳が出る、苦しそうに呼吸するといった症状には、次のような原因が考えられます。

猫喘息・慢性気管支炎
気管支に炎症が起こり、咳やゼーゼーという呼吸音、速く浅い呼吸などが見られます。ハウスダストやたばこの煙、スプレーなどが症状を悪化させることもあります。

肺炎
細菌やウイルスなどによって肺に炎症が起こる病気です。呼吸が速くなるほか、元気や食欲の低下、発熱などを伴うことがあります。

心臓病による肺水腫・胸水
心臓の働きが低下すると、肺の中や肺の周囲に水分がたまり、呼吸が速い、おなかを使って呼吸する、開口呼吸といった症状が表れることがあります。
猫では心臓病があっても症状が分かりにくく、呼吸の異変をきっかけに見つかるケースもあります。肺水腫や胸水は急速に悪化することがあるため、早急な対応が必要です。

猫の肥大型心筋症についてはこちらで詳しく解説しています

胸腔内の病気
肺の周囲に膿がたまる膿胸や、胸腔内の腫瘍などによって肺が十分に広がらなくなると、速く浅い呼吸や呼吸困難が見られます。

その他の原因
フィラリアなどの寄生虫、貧血、熱中症などでも呼吸が速くなることがあります。

疑われる病気は、年齢や症状の経過によっても異なります。若い猫では喘息や感染症、高齢の猫では心臓病や腫瘍なども含めて原因を検討します。

 

ご家庭で気をつけたいこと


呼吸が速いときは、猫を静かな場所で休ませ、興奮や暑さによる負担を避けましょう。たばこの煙や芳香剤、スプレー、ほこりなど、呼吸器への刺激となるものも控えてください。

こうした工夫で呼吸の負担を減らせることもありますが、口を開けている、おなかを大きく動かしているなど、明らかに呼吸が苦しそうな場合は、早めの受診が必要です。

人用の咳止めや気管支の薬を自己判断で与えたり、呼吸状態を確かめるために無理に歩かせたりすることも避けましょう。

 

動物病院で行う検査と治療


呼吸が苦しそうな猫では、検査そのものが負担になることもあります。そのため、まずは呼吸の速さや胸の動き、舌や歯ぐきの色などから緊急性を確認します。状態によっては酸素吸入などを行い、呼吸を安定させてから必要な検査を進めます。

呼吸が速い原因を調べる検査

呼吸の異変は、気管支や肺だけでなく、心臓や胸腔内の異常によって起こることもあります。原因を見極めるため、状態に応じて次のような検査を組み合わせます。

聴診:心臓や肺の音を確認する
血液検査:炎症や貧血など、全身の状態を調べる
胸部レントゲン検査:肺炎、肺水腫、胸水、胸腔内の腫瘤などを確認する
超音波検査(心エコー・肺エコー):心臓の形や動き、血流、肺・胸腔内の状態を調べる
CT検査:レントゲンでは分かりにくい病変の位置や広がりを確認する
胸水検査:胸水を採取し、その性状や原因を調べる

もちろんすべての検査を一度に行うわけではなく、呼吸状態や疑われる病気に応じて必要なものを選択していきます。

原因に応じた治療

治療方法は、呼吸が速くなっている原因や猫の状態によって異なるため、検査結果をもとに、それぞれの病気や状態に応じた投薬や処置を行います。

なお、猫喘息や心臓病では、症状や検査結果を確認しながら治療内容を調整し、継続的に状態をコントロールしていくことが大切です。

当院の呼吸器・循環器診療

当院では、レントゲン検査や血液検査に加えて、心臓・肺の超音波検査やCT検査にも対応しています。肺・心臓・胸腔のどこに問題があるのかを詳しく確認し、その子の状態に合った治療方針をご提案します。

当院の循環器科診療についてはこちらで詳しく紹介しています

 

まとめ|呼吸が速い・苦しそうなときはお早めにご相談ください


猫が安静にしていても呼吸が速い場合は、安静時呼吸数を確認し、普段と比べて増えていないかを見てみましょう。呼吸数が多い状態が続く場合は、早めの受診をおすすめします。

特に、口を開けて呼吸している、舌や歯ぐきが青紫色になっている、ぐったりしているといった場合は緊急性の高い状態です。できるだけ早く動物病院へご連絡ください。

当院では、呼吸器と循環器の両面から検査を行い、呼吸の異変の原因を詳しく調べています。愛猫の呼吸が速い、咳をする、おなかを使って苦しそうに呼吸しているなどの変化が気になる場合は、ご相談ください。

 

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