手術、麻酔について

Surgery & Anesthesia

手術、麻酔について

動物の安心のためにより安全に・・・

当院では動物の安心と安全を考え、人間の手術と同等の水準を目指しています。

  • 入念な術前検査
  • 手術中の各種モニター装置使用
  • 処置や手術に伴う疼痛の緩和
  • 年齢や基礎疾患に気をつけた麻酔薬の選択の実施

インフォームドコンセント

手術が必要となった場合は・・・

  • どのような病気・怪我で
  • どのような手術を行い
  • どのようなリスクがあるのか
  • 術後はどうなるのか
  • 費用はどのくらいかかるか

といった内容を飼い主様に分かりやすくご説明いたします。
分からない点や心配なことは何でもご相談ください。

麻酔について

当院には2名の麻酔認定医が常勤しています。
避妊・去勢手術を安全に行うのはもちろんのこと、検査内容や手術内容、そして心臓病や腎臓病など基礎疾患に合わせた麻酔管理を行っています。
他の病院では麻酔が難しいと言われた場合にも一度ご相談下さい。

麻酔の担当獣医師

当院での全身麻酔の流れ

①麻酔前の準備⇒②麻酔前投薬⇒③麻酔導入⇒④麻酔維持⇒⑤麻酔回復の順で実施します

麻酔前の準備

a.術前の全身状態の分類

身体検査、血液検査、血液化学検査、その他の検査をもとに、症例の全身状態を分類します。
術前の全身状態の分類法には
ASA(American Society Anesthesiologists)分類を利用しています。
獣医療でもASA分類が高いほど麻酔関連偶発死亡例の発生率が高くなることが示されています。
可能であれば、クラス3以上の症例では麻酔前に全身状態の改善を図る努力を行います。

b.麻酔管理計画

・症例の術前の全身状態
・実施される手術内容:外科処置の種類、保定体位
・予想される手術時間
・予想される合併症に対する対応
・術後疼痛の程度

これらの項目を考慮して麻酔計画を立てます

麻酔前投薬

  • ・動物の不安をなくして安全な全身麻酔を提供し、麻酔導入と麻酔維持を容易にします
  • ・先取り鎮痛を行います

麻酔導入

  • ・最小限のストレスで動物の意識を消失させます
  • ・気管挿管可能な下顎筋の弛緩を得ます

麻酔維持

  • ・検査や処置・手術を実施するために意識や痛み、筋肉の緊張を制御し、安定した状態を保ちます

麻酔回復

  • ・体温、呼吸回復の確認を行いながら連続的に観察していきます。また、痛みのモニタリングも同時に行います。

★疼痛管理について

外科手術の場合には、先取り鎮痛とマルチモーダル鎮痛を積極的に行います
(痛みが発生する前から作用機序の異なる複数の鎮痛薬を併用することです)

  • 術中鎮痛として局所麻酔薬の使用や鎮痛薬の持続投与を実施することもあります
  • 低用量で鎮痛薬を組み合わせることにより、個々の薬物の副作用を軽減して大きな鎮痛を得ることが可能です。
  • 麻酔回復後には術後疼痛管理を実施します
  • 積極的な痛みの治療によって動物の麻酔回復や術後回復を促進することができます。

★バランス麻酔

手術を実施する場合の全身麻酔では①意識の消失,②無痛,③筋弛緩が必要になります。

  • 意識を消失させる麻酔薬
  • 痛みをコントロールする鎮痛薬
  • 筋肉を弛緩させる筋弛緩薬
  • これらの3つの薬剤を組み合わせて適切に維持するバランス麻酔が動物の全身麻酔でも主流になっており、当院でもこれらを組み合わせて手術を行っています。
  • バランス麻酔によって術中の麻酔要求量減少が減少し、麻酔薬による呼吸循環抑制を軽減することが可能です。

★麻酔モニタリング

  • 麻酔下の動物の生理機能を看視することをいいます。目的とする処置を円滑に実施できる環境(外科医の求める麻酔深度)を提供すると同時に、生理機能の異常や悪化の早期検出と対応を可能にして麻酔の安全性を高める(動物の生命を守る)ことを目的に実施されます。
  • 主に、動物の麻酔深度、酸素化、換気、および循環機能を看視します。
  • 麻酔医による観察に加えて、麻酔モニタリング機器による体温、吸入麻酔薬濃度、心調律、血圧、SpO2またはSaO2やPaO2、ETCO2またはPaCO2などの測定を実施しています。

当院の検査機器・手術機器のご紹介

その他の医療機器は施設紹介ページでご紹介致します。

施設紹介