目がしょぼしょぼする・目やにが増える…犬・猫の「ドライアイ」早期発見のポイントと治療法
病院コラム 2026.01.28
ドライアイ(乾性角結膜炎)は、私たち人間にとってなじみのある病気ですが、犬や猫にもみられることをご存じでしょうか。
「目がしょぼしょぼする」「目やにが以前より増えた」「目が充血している」といった変化は、ドライアイが関係している場合があります。放置すると角膜の色素沈着や視力障害につながるおそれがありますが、早期に気づいて適切な治療を行えば、目の健康を守ることが可能です。
今回は、ドライアイの原因やご家庭でできるチェックのポイント、当院で行う検査・治療について詳しく解説します。特に乾燥しやすい冬の時期に注意したいポイントもあわせて確認していきましょう。

■目次
1.原因とメカニズム|涙が減ると目はどう変化する?
2.主な症状|最初に気づきたいサイン
3.診断と治療のポイント
4.ご家庭でできること|継続的なケアと早めの相談が視力を守る
5.まとめ
原因とメカニズム|涙が減ると目はどう変化する?
ドライアイの発生には「涙」が大きく関わっています。まずは、涙が果たしている役割を整理してみましょう。
・角膜の保護:目の表面(角膜)を覆い、摩擦や乾燥によるダメージから守る
・潤いの供給:目に潤いを与え、乾燥を防ぐ
・感染防御:細菌やウイルスの侵入を防ぐ
ドライアイは、涙の量が減る、あるいは涙の質が低下することで、目の表面が十分に潤わなくなり発症します。この状態が続くと、乾燥や摩擦によって慢性的な炎症が起こりやすくなります。さらに進行すると、角膜に傷が入ったり、色素沈着や視力障害につながったりするリスクも高まるため、注意が必要です。
では、なぜ涙が減ってしまうのでしょうか。主な原因は、次の3つに分けられます。
・自己免疫疾患
免疫の異常により、涙を分泌する涙腺が誤って攻撃・破壊されるケースです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどでは、自己免疫性のドライアイが起こりやすい犬種として知られています。
・涙腺の機能低下
加齢や慢性的な角膜炎・結膜炎、過去の目の手術などが影響し、涙腺の働きが低下することがあります。
このように、ドライアイはさまざまな要因が重なって起こる病気であり、気づかないうちに少しずつ進行していくこともあります。だからこそ、日常の中で見られる小さな目の変化を見逃さないことが大切です。
主な症状|最初に気づきたいサイン
ドライアイは進行すると視力に影響することもあるため、早い段階で異変に気づくことが重要です。
<初期に見られやすい症状>
まずは、日常の中で気づきやすい初期のサインを確認しておきましょう。
・目をしょぼしょぼさせる
・白目が赤くなる(充血)
・目やにが増える(粘り気が強い、黄色っぽいなど)
・瞬きが増える
・まぶしそうにする
<進行すると見られる症状>
炎症や傷が深くなると痛みが強くなり、目を開けにくくなる場合もあります。
・黒っぽい変色(角膜の色素沈着)
・目の表面の濁り、目をこするような仕草、強い痛み(角膜潰瘍)
初期症状は一見すると軽い不調に見えるため、様子を見ているうちに症状が進行し、悪化してから受診されるケースも少なくありません。しかし、重症化すると治療が複雑になり、犬や猫への負担も大きくなります。そのため「少し気になる」「いつもと違う」と感じた段階で検査を受けることが、目のダメージを最小限に抑えるうえでとても重要です。
特に冬場は空気が乾燥しやすく、涙が蒸発しやすいため、ドライアイが悪化しやすい季節でもあります。軽い変化であっても見過ごさず、早めに動物病院へ相談するようにしましょう。
診断と治療のポイント
ドライアイは、見た目の症状だけでは進行度を正確に判断しにくい病気です。そのため当院では、生活環境や日常の様子も含めて丁寧にお話をうかがいながら、複数の検査を組み合わせて総合的に評価しています。
<診断>
症状の原因や進行度を把握するために、涙の量や目の表面の状態を確認していきます。
▼問診
ご自宅での過ごし方、目の変化に気づいたタイミング、これまでの治療歴などを詳しくお聞きします。日常のちょっとした情報が、原因や治療方針を考える大切なヒントになることも少なくありません。
▼視診・眼科検査
角膜や結膜の状態を確認します。スリットランプ検査やフルオレセイン染色検査を組み合わせることで、目の表面の傷や炎症の程度をより詳しく評価します。
▼シルマー試験
試験紙を用いて涙の量を数値化します。客観的なデータとして把握することで、進行度を正確に判断し、その子に合った治療計画を立てることができます。
<治療>
治療は、進行度や併発している病気の有無に応じて調整しますが、基本となるのは次の2つです。
・免疫抑制剤の眼軟膏
炎症を抑えながら涙腺の働きをサポートし、涙液量の回復を目指します。
・ヒアルロン酸点眼
目の表面に潤いを与え、乾燥や摩擦から角膜を保護します。
ドライアイは慢性疾患のため、短期間で完治する病気ではありません。また、一時的に症状が落ち着いても、自己判断で治療を中断すると再発・悪化することがあります。
定期的に検査を行い、数値や目の状態の変化を確認しながら、その子のペースに合わせて無理なく治療を続けていくことが大切です。
ご家庭でできること|継続的なケアと早めの相談が視力を守る
ドライアイは、日々の積み重ねが目の状態に大きく影響する病気です。治療とあわせて、ご家庭での次のようなちょっとした心がけが、症状の安定や悪化予防につながります。
・目の周囲を清潔に保つ
目やにや汚れが付着したままになると、刺激や炎症の原因になることがあります。やわらかいガーゼやコットンで、目のまわりをやさしく拭いてあげましょう。
・乾燥しやすい季節は加湿を意識する
空気が乾燥すると、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイが悪化しやすくなります。特に冬場は、室内の湿度管理を意識してあげることが大切です。
・目をこすらないように工夫する
かゆみや違和感から目をこすってしまうと、角膜を傷つけてしまうことがあります。必要に応じてエリザベスカラーを使用するなど、目を守る工夫を取り入れましょう。
<定期的なチェックと早めの相談が大切です>
あわせて、定期的な通院・検査もとても重要です。ドライアイは慢性化しやすく、見た目には落ち着いているように見えても、涙の量や角膜の状態が少しずつ変化していることがあります。継続的に状態を確認することで、悪化の兆しを早い段階で見つけやすくなります。
また、乾燥や痛みのサインは小さな変化に見えても、内側では進行している場合があります。「少し気になる」「いつもと違うかも」と感じた段階で相談していただくことで、角膜へのダメージを最小限に抑えやすくなります。
まとめ
ドライアイは、冬場の乾燥や体質の影響で症状が進みやすい一方、早い段階で気づき、適切なケアや治療を行うことで、進行を防ぎやすい病気でもあります。
「目をしょぼしょぼさせている」「目やにが少し増えた気がする」など、軽い変化に感じられるサインでも、早めに相談することで安心につながります。愛犬・愛猫の目の健康を守るためにも、気になる様子があれば、お気軽にご相談ください。
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