犬・猫の健康診断の頻度と考え方|フィラリア検査と一緒に行うメリット
病院コラム 2026.02.12
健康診断と聞くと「うちはまだ元気だから大丈夫」と感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、犬や猫は体調の変化を隠すことが多く、元気や食欲があるように見えても、体の中では少しずつ変化が進んでいることもあります。そのため、症状が出てからではなく、日頃から定期的に体の状態を確認しておくことが、健康を守るうえで大切な考え方のひとつです。
今回は、犬や猫の健康診断について、年齢ごとの適切な頻度や、フィラリア検査とあわせて行うメリットをご紹介します。

■目次
1.健康診断の基本|犬・猫は「人より早く年を重ねる」
2.年齢別|健康診断のおすすめ頻度の目安
3.どんな検査をする?年齢に応じた検査内容の考え方
4.フィラリア検査と健康診断を一緒に考えるメリット
5.まとめ|その子の年齢に合ったペースで、無理のない健康管理を
健康診断の基本|犬・猫は「人より早く年を重ねる」
まず知っておいていただきたいのが、犬や猫と私たち人間との「年齢の進み方の違い」です。
品種差や個体差はありますが、令和5年の(一社)ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、犬や猫の平均寿命は14~16歳ほどと報告されており、なかには20歳近くまで長生きする子もいます。
一方、人間の平均寿命は80歳以上です。この数字を比べると、犬や猫は人のおよそ4倍以上のスピードで年を重ねていることがわかります。つまり、犬や猫にとっての「半年」は、人でいう「約2年」に相当する計算になります。
このように年齢の進み方が大きく異なるため、私たち人間と同じ感覚で犬や猫の健康診断の頻度を考えてしまうと、実は間隔が空きすぎてしまう可能性があります。半年に1回の健康診断は決して頻繁すぎるものではなく、体の変化を早めに見つけるための無理のないペースといえるでしょう。
年齢別|健康診断のおすすめ頻度の目安
当院では、年齢に応じて次のような頻度での健康診断をおすすめしています。
<犬の場合>
・8歳未満:年に1回
・8歳以上:半年に1回
<猫の場合>
・10歳未満:年に1回
・10歳以上:半年に1回
「まだ元気だから大丈夫」と感じる時期でも、体の中では少しずつ変化が始まっていることがあります。人間と同じように、犬や猫も年齢を重ねるにつれて、その変化はより短期間で起こりやすくなるのです。
特にシニア期は「前回と同じ状態かどうか」を確認すること自体に大きな意味があります。定期的に比べることで小さな異変にも気づきやすくなり、早めの対処につなげやすくなるからです。
どんな検査をする?年齢に応じた検査内容の考え方
健康診断というと「毎回たくさんの検査をしないといけないのでは」と感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、その子の年齢や体調、生活スタイルに合わせて、必要な検査を組み合わせていく“オーダーメイド”の考え方が基本になります。
<若い犬・猫の場合>
若いうちは、まず中心となるのが血液検査です。貧血や炎症の有無、肝臓・腎臓などの内臓の働きを数値で確認することで「今の健康状態の基準値」を知ることができます。
この“その子にとってのいつもの値”を把握しておくことが、将来の小さな変化に気づくための大切な手がかりになります。
<シニア期の犬・猫の場合>
年齢を重ねてきたら、血液検査に加えて、より詳しく体の中を確認していきます。
・尿検査:シニア期に多い腎臓病の早期発見に有効
・エコー検査:お腹の中の腫瘍や臓器の形状をリアルタイムで確認
・レントゲン検査:骨・関節の異常や、肺・心臓・消化管など胸やお腹の異変を確認
もちろん、これらをすべて毎回行う必要はありません。その子の年齢や生活背景、気になる症状に合わせて必要な検査を選び、無理のない形で続けていくことが大切です。
健康診断は「何かあったとき」に行うものではなく「何もない今の状態を知っておく」ためのもの。普段との小さな違いに早めに気づくための、いわば“体の記録”として活用していただければと思います。
フィラリア検査と健康診断を一緒に考えるメリット
フィラリア予防薬を安全に始めるためには、まず感染の有無を確認する必要があります。そのため、フィラリア検査は、基本的にはすべての犬で毎年必要になる大切な検査です。このタイミングを、健康診断の「きっかけ」として上手に活用する方法もあります。
・採血が1回で済み、体への負担を減らせる
フィラリア検査と血液検査を同時に行えば、採血は1回で済みます。そのため、愛犬の負担を増やすことなく、効率よく健康チェックができるのが大きなメリットです。
・定期的な健康管理の“習慣化”につながる
「毎年この時期にまとめて確認する」と決めておくことで、検査を忘れにくくなり、自然と定期的な健康管理の習慣にもつながります。忙しい毎日の中でも、無理なく続けやすい方法といえるでしょう。
・気軽に健康チェックを取り入れやすい
「健康診断」と聞くと少し身構えてしまう方でも、フィラリア検査とあわせて行えば、特別な準備をしなくても自然な流れで体の状態を確認できます。はじめて健康診断を受けるきっかけとしても、取り入れやすいタイミングです。
なお、フィラリア対策は春だけでなく、地域や生活環境によってはほぼ通年で必要になるケースもあります。いつから始めたらよいか迷った場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ|その子の年齢に合ったペースで、無理のない健康管理を
健康診断のちょうどよい頻度は、愛犬・愛猫の年齢やこれまでの体調、生活スタイルによって少しずつ変わってきます。当院では、若いうちは年に1回、シニア期に入ったら半年に1回をひとつの目安としてご提案しています。
「半年に1回は多いのでは?」と感じられるかもしれません。ですが、犬や猫が年を重ねるスピードを考えると、体の変化に早めに気づくための、無理のないペースともいえます。また、フィラリア検査のタイミングにあわせて健康チェックを行うのも、負担を抑えながら続けやすい方法のひとつです。
まずは最低限の検査から始めて、年齢とともに少しずつ内容を見直していく。そんなふうに、その子に合わせて続けていくことが、健やかな毎日につながっていきます。「どこまで検査したらいいのか分からない」「うちの子にはどのくらい必要?」などのお悩みやご不安も、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に、その子に合ったペースを考えていければと思います。
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