犬・猫の季節の変わり目の体調管理|春に多い症状と予防のポイント
病院コラム 2026.03.19
春は暖かな日差しが増え、お散歩や外出が楽しくなる季節です。一方で、冬から春への季節の変わり目は、犬や猫にとって体調を崩しやすい時期でもあります。
「なんとなく元気がない気がする」
「便がゆるい日が続いている」
「最近よく体をかいている」
こうした小さな変化は、寒暖差や環境の変化が影響しているかもしれません。
今回は、春に犬や猫が体調を崩しやすい理由と、よく見られる症状、そしてご家庭でできる具体的な予防ケアについて解説します。

■目次
1.なぜ季節の変わり目に体調を崩しやすいの?寒暖差と環境変化の影響
2.よく見られる症状① おなかの不調(軟便・下痢)
3.よく見られる症状② 皮膚・目・呼吸器の違和感(春特有の変化)
4.春の体調不良を防ぐための予防ケア|今できる具体的な対策
5.まとめ|小さな変化を見逃さないことが、春の体調管理のポイント
なぜ季節の変わり目に体調を崩しやすいの?寒暖差と環境変化の影響
「昨日は暖かかったのに今日は寒い」そんな日が続くと、私たち人間もなんとなく疲れやすくなりますよね。犬や猫も同じで、冬から春にかけては、私たちが思っている以上に体に負担がかかりやすい時期です。
<寒暖差の影響>
春先は日ごとの気温差が大きくなりやすく、体温を一定に保とうとする働きが繰り返し刺激されます。この調整を担っているのが自律神経です。
自律神経に負担がかかると、
・胃腸の動きが不安定になる
・免疫機能が一時的に低下する
・疲れやすくなる
といった変化が起こりやすくなります。
「急に便がゆるくなった」「なんとなく元気がない」といった変化の背景に、寒暖差が関わっていることも少なくありません。
<生活リズムや環境の変化>
春は生活の節目の季節でもあります。引っ越しや家族の進学・就職、来客の増加など、家の中の空気が変わることも多い時期です。
犬や猫は環境の変化に敏感な動物のため、
・お留守番時間が長くなる
・家の中のレイアウトが変わる
・家族の生活リズムが変わる
などといった出来事が、知らないうちにストレスとなり、体調の変化としてあらわれることがあります。
特に、もともと胃腸が弱い子や皮膚トラブルを抱えている子では、こうした影響が表面化しやすくなります。
よく見られる症状① おなかの不調(軟便・下痢)
春先に増えるご相談のひとつが、軟便や下痢といった胃腸のトラブルです。寒暖差による自律神経の乱れや、環境の変化によるストレスは、まずおなかの調子にあらわれやすい傾向があります。
元気や食欲があり、1〜2日ほどで便の状態が安定してくるようであれば、大きな問題にならないケースも少なくありません。ただし、次のような場合は早めの受診をおすすめします。
・下痢が3日以上続く
・嘔吐を伴う
・元気がなく動こうとしない
・頻繁にトイレに行く、尿が出ない、血尿がみられるなど排尿の異常がある
これらの症状の背景には、別の病気が隠れていることもあるため、迷ったときは無理に様子を見ずに、まずは一度ご相談ください。
よく見られる症状② 皮膚・目・呼吸器の違和感(春特有の変化)
皮膚や目、呼吸器の違和感も春になると増えてくる症状のひとつです。この時期は飛散物の増加や気温の上昇などが重なり、体に負担がかかりやすくなります。
<目や呼吸器の症状>
花粉などの影響により、目をこする、くしゃみや咳が増えるといった変化がみられることがあります。「一時的なものかな」と思って様子を見ているうちに長引いてしまうケースも少なくないため、注意が必要です。
<皮膚トラブルの悪化>
気温や湿度の上昇により、皮膚のバリア機能が不安定になることで、かゆみや赤みが出ることがあり、特にアトピー体質の犬では、春先に症状が悪化しやすい傾向があります。
また春は換毛期でもあるため、抜け毛が皮膚に残ることで蒸れや炎症につながることもあります。皮膚環境を整えるためにも、こまめにブラッシングをしてあげましょう。
犬のアトピー性皮膚炎についてはこちらで詳しく解説しています
猫のグルーミングについてはこちらで詳しく解説しています
<受診を検討したいサイン>
次のような症状は、犬や猫が不快感やかゆみ、違和感を抱えているサインかもしれません。早めの受診をご検討ください。
・体をしきりにかく
・足先などを舐め続ける
・目やにや瞬きがいつもより多い
・目の充血が続く
・くしゃみや咳が続く
・皮膚の赤みや湿疹が広がっている
早めに状態を確認し、その子に合ったケアを始めることで、症状の悪化を防ぎ、つらさを和らげやすくなります。
春の体調不良を防ぐための予防ケア|今できる具体的な対策
春のトラブルを防ぐためには、日々の暮らしの中での小さな工夫が大切です。
<寒暖差へのケア>
春は、暖かい日と冷え込む日が交互にやってきます。体温調整の負担を減らすためにも、次のような点を意識して、環境をできるだけ安定させてあげましょう。
・室温を急激に変えない
・寝床に毛布を用意する
・冷えやすい床に直接寝かせない
<環境変化へのケア>
春は生活リズムが変わりやすい季節です。変化そのものをなくすことは難しくても「安心できる時間と場所」を守ることを意識してあげましょう。
・安心できる定位置を確保する
・散歩時間や食事時間を急に変えない
・においのついたタオルやおもちゃを活用する
<誤飲誤食の予防>
春は園芸用品や植物に触れる機会が増える時期です。チューリップやスイセンなど一部の植物は中毒を起こすことがあり、肥料や殺虫剤も注意が必要です。
犬や猫の届く範囲に置かない、散歩中は拾い食いに気を配るなど、事前の対策が安心につながります。
<春は予防と健康チェックの見直しどき>
春は体調を崩しやすい一方で、一年の健康管理を見直す良いタイミングでもあります。
ワクチン接種のタイミングにあわせて健康チェックを行うことで、受診回数をまとめることができ、愛犬・愛猫はもちろん、飼い主様のご負担軽減にもつながります。フィラリア予防やノミ・ダニ対策も、この機会に一緒に見直しておくと安心です。
なお、2026年度の狂犬病予防注射は3月2日(月)から接種可能です。それ以前の接種は前年度扱いとなるためご注意ください。ご来院の際は市から届いたハガキをお持ちいただくと、スムーズにお手続きいただけます。
犬・猫の健康診断やフィラリア検査と一緒に行うメリットについてはこちらで詳しく解説しています
まとめ|小さな変化を見逃さないことが、春の体調管理のポイント
冬から春にかけての季節の変わり目は、気温や生活環境の変化が重なり、犬や猫の体にも思いのほか負担がかかる時期です。「少し便がゆるいかも」「最近よく体をかいている気がする」そんな小さな変化が、体からのサインであることもあります。
だからこそ、この時期はいつもより少しだけ丁寧に愛犬・愛猫の様子を見てあげることが大切です。気になる症状がある場合はもちろん「これって様子見で大丈夫?」と迷う段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
🔽よろしければ、この記事の感想を⭐でお聞かせください🔽
◼️関連する記事はこちらから
【獣医皮膚科認定医が在籍】なかなか治らない犬・猫の皮膚病に|セカンドオピニオンのご提案
犬や猫の耳のかゆみ・においは「外耳炎」かも|アトピーとの関連や症状・再発予防を解説
犬や猫の体臭が気になるときは要注意|においの原因となる病気とは
目がしょぼしょぼする・目やにが増える…犬・猫の「ドライアイ」早期発見のポイントと治療法
猫の呼吸が苦しそう… 要注意な呼吸器の症状と緊急性の判断基準
◼️オンライン予約が始まりました!
ノヤ動物病院では、オンラインでの予約が可能になりました。スマートフォンやパソコンから24時間いつでも簡単に予約できます。
※時間帯予約になりますので、診察状況や急患対応などで時間通りにお呼びできないこともございます。あらかじめご了承ください。
ご予約はこちらから
ノヤ動物病院
経験豊富なスタッフと充実した医療設備で犬と猫の健康をトータルサポートします。
042-985-4328
